「アクトン・ベイビー/U2」 91年 評価5
アルバムとしては8枚目、スタジオアルバムとして6枚目となる本作は、世界中のU2ファンに衝撃を走らせた。何しろ前作のスタジオアルバム『ヨシュア・トゥリー』でロックの伝道師と見る向きが多かったから、本作でのデジタルサウンドの多用は賛否両論。私としては『ヨシュア〜』の雰囲気は好きではなかったこと、今聴いてみれば大騒ぎするほどデジタル系でもなく、メロディアスであるため最も好きなアルバムとなる。
U2の凄いところは、どんなビッグバンドになってもいろいろな挑戦をし続けていることで、本作も確実な地位を得た後の大冒険。確かに否の評価もあったが結果としては本作でグラミー賞を受賞したように大成功に終わった。
スピード感ある「リアル・シング」、低く小さなベース音から始まり硬質な盛り上がりを見せるラヴソング「ワン」、エモーショナルなボノのボーカルが色っぽい「ミステリアス・ウェイズ」が特に好きな曲だが、A面は非の打ち所がない流れ。B面はやや地味だが、全12曲、だれることのない仕上がりで、文句なく評価5となる。